新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。組合員の皆様におかれましては、新春を晴々しい気持ちでお迎えのこととお慶び申し上げます。

まずは、喜ばしいご報告をさせていただきます。組合員の皆様のご理解とご支援によって、事務所隣接地の購入、並びに、新たな米倉庫建設を無事に終えることができました。この建設にあたってはもちろん業者に請け負っていただきましたが、限られた資金を節約するために、そして、皆で作り上げるという想いを共有するために、佐藤真実建設委員長をはじめとする多くの人が作業へ関わり、それによって完成を見ることができました。言葉通り、「みんなで作り上げた」米倉庫です。ぜひその姿を益城へ来られる際はご覧になってください。

さて、旧年中は、新型コロナ感染症の拡大だけでなく、異常気象による自然災害の激甚化などが私たちの生活を脅かし、安定・安全・安心とは程遠い状況が続きました。そして、それは今年もなお継続しそうな様相ですらあります。

日本だけでなく世界をも含めたこうした事態への対応を見るにつけ、そこには一つの特徴的な態度があるのに気づかされます。その態度とは、もはやこの状況は当たり前のものであり、それに適応するしかない、という「現状肯定」ともいえるものです。

誤解を恐れずに言えば、ウイルス感染症に対して必要なことは、罹患してしまう今の状況に立ってウイルスを全滅あるいは無効化させようと躍起になるのではなく、罹患しやすくなっている身体や生活そのものを見直し、改めていくことではないでしょうか。自然災害についても、激甚化する今の状況に立ってそれに耐えうる強固な建物や備えをすることではなく、自然環境を悪化させる私たちの生活のあり方を問い直すことこそ必要ではないでしょうか。そうでなくては、永遠にいたちごっこが続くばかりです。繰り返されるいたちごっこの中で、私たちの子どもたちは今よりも悪化した状況に置かれるでしょう。それすらも「現状肯定」させてしまうのでしょうか。

私たちに必要なことは、現状を「しょうがない」と受け入れることではなく、「果たしてこのままでいいのか」と考え、「世界はきっと変えられる」と強く信じることではないでしょうか。

私たちの組織の名称に「考える」という言葉が冠せられているその意味を、皆で共有していけたら嬉しいです。どうか今年もよろしくお願いします。

理事長 高山 健也